10年は泥のように働け、ということ

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まったくもって正しいと思います。今は安月給でも30代以後それなりの収入の得るためには必要な経験かと。

しかし、それを経営側に言われるとお先まっくらというか。若いうちに苦労を採るのはあくまで働く側の気概であって、会社として求められるとむしろ「変化に対応できない企業」「先はないな」と感じるんだけど、どうだろう。ちなみにコレはIT業界の重鎮が語るIT産業の話なのであしからず。

前提1、働き手としては「頑張れば報われる」環境を求めている。前提2、今は10年後にその会社がまだあるかなんて誰も確信できない時代である。今の人材、特に若い世代が求めているのは1年から3年という比較的短いスパンで何らかの成果(金、スキル、経験、実績)を期待できる職場であり、それが難しいと感じたならもっと良い環境を探すでしょう。

今は辛くとも、それが将来のキャリアにとってプラスになるなら耐えられます。しかし「10年は泥のように」という企業での経験が、「どこに出しても通じる」ほどの実力になるかどうか非常に怪しいところです。同じ10年ならもっと有意義に自分を磨き上げる方法がいくらでもありそうに感じませんか。現職に喰らいつくというより、いつ放り出されても如何様にもできる自信と対応力を求めるのが今の若い世代の在りかたじゃないかな。

ここで企業側は「頑張れ」「耐えろ」と求めるばかりで、自社で働くことがどれだけ楽しく、かつ社員のためになるのだ、ということを伝える努力に欠けているように思います。まあ実際はアピールしてるかもしれないけど、伝わってこないから十分ではないよね。そう印象付けることこそ目的ではないのか。あるいは本人そう思ってないから説得力なかったとか絶望的なことは考えたくないけど。

まあ今の日本が昇り調子だと言える人は少ないだろうし、そのうえで明るいビジョンが築けない企業にわざわざ苦労しにいくような物好きは(そうそう)いない。となると将来に期待できないから稼げるうちに稼いでおきたいというのは、至極まっとうな要求だよね。成果主義って都合の良い方策とはまた別の形で。

memo: 現状の「成果主義」は結局のところ全体の給与を引き下げる目的で実施される方策である。人の10倍結果を出しているから10倍の報酬が得られる訳でもない。

memo: 記事では金融システムとか出てるし、ITといってもB2Bとか大規模システム寄りの話かな。バックエンド技術はWebとかほど流行り廃りは激しくないから、はてな界隈で紛糾してる感覚とは違うかも。それでも変化はあるし、落ち目の日本で今のままで良いわけはない。

一点、弁護するなら

学生側にも甘えがあるって意見も正しい。夢を見すぎているとか、自分を過大評価しているとか、教えてくれないとか、3年で辞めるのは我慢が足りないとか、おしなべて、まあ確かにね。

夢は与えられるものじゃないし、上には上がいるものだし、誰もが巧く教えられるわけでもなければ、短期で辞めるのは単に時間を無駄に消費しているだけかもしれない。彼らはそれを知らないんだ。知っていても実感はないかもね。それは確かに正しい。

でもさ、それは経験したからこそ言えることだし、言い聞かせて鬱にさせるようなことでもないし、どうであれ(現実がいくら厳しくとも)夢も見れないような企業はそれまでだ。そう思うんだけどな。

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