携帯キャリアのアクセス制限リスト取得に関する調査報告

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Note: この記事は、3年以上前に書かれています。Webの進化は速い!情報の正確性は自己責任で判断してください。


年末の仕事で調べたものだけど、たぶん今が旬でしょう。一般に『有害サイトアクセス制限サービス』として知られている携帯キャリアのフィルタリングサービスについて、自サイトがブロック対象となっているか、なっていたとして解除申請はどうすればよいのか、を調べたもの。

フィルタリングサービスというとスパム対策も含まれる感覚ですが、ここでいうアクセス制限サービスは、主として教育上有害とされるサイトをブロックする目的で携帯キャリアが提供しているサービスを指します。いわゆるキッズフィルタ。

各キャリアのアクセス制限サービスの名称と概要は、以下。

ブロックの方法としては、主に「ブラックリスト方式(有害サイト・リストとの照合)」と「ホワイトリスト方式(許可サイトのみの提示)」の2つ。詳しくは各キャリアの詳細に譲りますが、概ねブラックリスト方式を中心として展開されています(auは「ホワイトリスト方式」のみ)。その上でブラックリスト方式を採用しているドコモ、ソフトバンク(Vodafone)、ウィルコムの3キャリアは、そのURLデータベースとしてネットスターのシステムを利用しています。

このうちドコモに関しては電話で確認を取りましたので、紹介しておきましょう。

Q. ブラックリストを公開しているか?
A. 公開しているとしたらネットスター。ネットスターにお問い合わせください。
Q. ブラックリストに登録されているか確認できるか?
A. ネットスターにお問い合わせください。
Q. ブラックリストに登録されているとして、解除申請はどこに対して行うのか
A. やはりネットスターにお問い合わせください。

URLデータそのものに関してドコモに問い合わせても無駄のようです。ということで、ネットスターに訊いてみたところ、だいたいこんな感じでした。

ネットスターのデータベースに登録されているかどうか
迷惑.jp」の「Webプロフィール確認ツール」から確認できる
登録内容についての相談や、今後の扱いに関して
info@netstar-inc.com にメールをしていただければ担当のものが確認する
解除申請
ネットスター側でもできる限り対応するが、最終的にはキャリア側の判断になるため、そちらに問い合わせたほうが良いかもしれない
ブラックリストの公開
やはりinfo@netstar-inc.com にメールを送ることで、「できる範囲で」応えることができる

但し、ネットスターでは「有害」かどうか判断しているわけではなく、サイトの分類を登録しているに留まる。あるサイトを「未成年者に見せない」と判断しているのは携帯キャリア側である、とのことでした。ネットスターが提供しているURLリストのカテゴリがあり、キャリア側が特定のカテゴリを制限対象に加えることによって、対象カテゴリに属するURLリストが一律ブロックされる仕組みのようです。

格付け(レイティング)基準


ネットスターは自社で収集したURLリストを特定のカテゴリに分類して提供しているのだけど、上述したように「有害」か「無害」かで分類しているわけではない。これを顧客であるところの携帯キャリアがアクセス制限サービスのリストとして使用する際には、いわば汎用的なカテゴリから転用する形になるわけだ。

ま~商品としてのURLリストではもっともな話で、(汎用的であることは)ある意味リスク回避だったりするかもしれないのだけど、事ここに至って主だった携帯キャリアが軒並みフィルタリングに利用しているとなると、この点が問題になってくる。

分類が大雑把すぎて有害無害まとめてブロックされちゃうよ~、という状況。例えば「掲示板」ていうサブカテゴリがあるわけだけど、それが売りでなくともコミュニケーションできるサービスなら掲示板っぽい機能くらいたいてい備えてるもので、ここがブロック対象になったらどうすんだ。「モバゲ」も「mixi」も「価格コム」も「ホストラブ」もブロックだ。この中で明確に18禁なのはホスラブくらいなんだけど。

収益上どれだけを占めているかは判らないけど、社会的な影響を考えると、少なくとも携帯キャリアに提供するリストは教育上有害ブロックにもうちょい特化するべきだと思うんだ。それこそ「ディープキス」とか「胸部まで」とか「モザイクあり」とかさ。ICRAラベリング基準とか、そんなだった気がするぞ。うろ覚えだけどさ。

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