He who fights with monsters might take care lest he thereby become a monster. And if you gaze for long into an abyss, the abyss gazes also into you.
—Friedrich Wilhelm Nietzsche, Beyond Good and Evil
「怪物と戦う者は、みずからも怪物とならぬように心せよ。汝が久しく深淵を見入るとき、深淵もまた汝を見入るのである」ニーチェの言葉。著作『善悪の彼岸』より。
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェはドイツの哲学者にして、古典文献学者。実存主義の始祖としてキェルケゴールと並び、後世に多大な影響を与えた在野の哲学者。代表作は『曙光』『道徳の系譜』『悦ばしき知識』『力への意志(未完)』など。『ツァラトゥストラかく語りき』における宣言「神は死んだ、我々が殺したのだ」(人間理性によるキリスト教的価値観との決別)という言葉はあまりにも有名。
『善悪の彼岸』では、旧来の道徳的観念からくる善悪の対立を超えたところに理想の人間としての未来像がある、と説く。道徳的な善悪の価値基準を超え、善悪両方を彼岸から捉える立場にあるものを「超人」と呼び、その立場がどのように生成されるかということを書いた。
客観的視点の形成ってのは永遠のテーマなわけだけど、これはとても、とても、とても難しい。悪いところを見つけて批判するのは簡単だが、そういう自分のその行為はどうなんだ? ミイラ取りがミイラになってやしないか? そもそもその行為は、何故、何が、どういうふうに悪いのか? あるていど深く考えると、なんだかも~どうでも良くなってくるわけだが、案外それが正しいのかもしれない。ま~善悪の基準なんて、国や時代によってコロコロ変わるもの。テロリストの支援者が消えないのも、いってみれば彼らが「正義の味方」だからなのだし。勧善懲悪なストーリー(TV、アニメ、映画)が実は子供の虐めを助長してるとか、マッチョな人は認めたがらないかもしれないが。
善悪ってのは極めてエモーショナルで、かつその場限りのものだよな、とかとか。